「恋はみずいろ」を聴きながら

北海道釧路市で不動産鑑定士をしております小原孝太郎と申します。普段の生活を中心に書いてます。

長嶋有さん「猛スピードで母は」感想。

今年のお盆休みに足を運んだ某文学館の展示を見たことをきっかけに、長嶋有さんの小説を読んでみたくなって、代表作の一つ「猛スピードで母は」をこの週末一気に読みました。80頁ぐらいの小説が二篇入っていて、表題作のほか、「サイドカーに犬」という作品が入ってます。二作品とも、小学生の男の子が主人公で、小学生にとっては相当深刻な状況(家族の危機)を、どこかユーモラスな文体で、軽やかに受け流していく姿が描かれていきます。こういう作風、受け止め方というのが、私のような堅物にとっては斬新に感じられて、不思議と気持ちが軽くなった気がします。会話も軽妙で、すごく情景が浮かびやすい小説ですね。


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(ワーゲンを追い抜くシーンで終わる作品でした)


人口が減少し続けている地方で生活していると、お店が新しく出来るというポジティブなニュースよりも、お店がなくなるといったネガティブなニュースが多いです。そんな時に、私はついつい暗く重く受け止めてしまいがちなのですが、仮に深刻な状況に遭遇したとしても、長嶋さんの小説に出てくる登場人物みたいに、あるがままを受け入れて、気持ちを流していくことが大事なことなのかもしれません。北海道が舞台になっている「猛スピードで母は」(冬タイヤ交換のシーンからスタートし、温泉付き住宅やトドの鳴き声のエピソードが出てきますが)だけれど、「サイドカーに犬」の方が、9月初めに読むには適しているかもしれません。以上、読後あまり時間が開かないうちに、感想を書き留めておきます。