「恋はみずいろ」を聴きながら

北海道釧路市で不動産鑑定士をしております小原孝太郎と申します。普段の生活を中心に書いてます。

「おらおらでひとりいぐも」を読み終えて

昨日の寝る前に若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」を最後まで読み終えました。文庫本で読書することが多い私にとっては珍しくハードカバーでの読書。読み終えて、作品全体のページ数をみてみると、164ページ。それほど長い作品ではないのに、時間をかけて読んだ気がします。それだけテーマ的に自分の心に刺さってきた作品だったということなのだと思います。


自分の内面が描かれる第一章、自分の子供達との関係が描かれる第二章、パートナーとの関係が描かれる第三章、パートナーとの死別を受け止める第四章、そして、輪廻的なエンディングの第五章からなります。

孫とのやりとりのラストシーンのせいか、死生、老いをテーマにしているのに、非常に爽やかな読後感でした。これも不思議な感覚です。

オレオレ詐欺、自分の子供の老い、病院での人間観察など、現役真っ只中の私には見えない、新鮮な視座、視点が全体的に散りばめられていて、読むのにエネルギーが必要な作品だったように思います。

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(実家の家庭菜園に咲いていたジャガイモの花など。息子が撮影に協力してくれました)


ネット社会の中で、比較的若い層の意見が影響力を持ちつつある中、今のシニア世代の方の視点、視座、想いをもっと取り込まなければ、ビジネス的なことであれ、地域課題的なことであれ、なかなか上手くいかないのではないか・・・と反省しました。今回は衰退しつつある首都圏の住宅団地が舞台でしたが、私の住む釧路地域も広いだけで人通りがまばらな道路はいっぱいある…したがって、若い移住者、観光客をどう取り込むかに目が行きがちだけれど、実はそうではなくて、実際その地域にずっと住んできた地域の主人公であるシニアの方々の視点、想いをしっかり受け止めることが、同じようにすごく大切なのではないだろう・・・


何も地域課題のことだけではなく、普段の私の仕事でも同じで、私もついついスマホなどネット経由の発信を重視しがちだけど、そうではなく、もっと自分の親世代の目線に立って、仕事することが大切ではないかと反省させられた気がします。地方で生活していると、人生の大先輩である「桃子さん」世代(70歳前後の方々)には、普段から本当にお世話になっています。目の前にあるけど、見落としがちな大切なことを教えくれた作品だった気がします。これからの人生の中で、また読み返すかもしれない一冊かもしれません。


今日は長々と感想を書いてしまいました。最後まで読んでくださって、ありがとうございます。