「恋はみずいろ」を聴きながら

北海道釧路市で不動産鑑定士をしております小原孝太郎と申します。普段の生活を中心に書いてます。

井上靖さん「あすなろ物語」の感想をまとめてみる

週末に楽しみしております隔月開催の読書会が迫ってきました。今回の課題図書は井上靖さんの「あすなろ物語」。先の第二次世界大戦の前後の日本を舞台に、鮎太という一少年が青年期、壮年期を迎え、その折々での女性との出会いを軸にした連作短編集的な作品でした。読み終えたのは実はだいぶ前だったのですが(笑)、今日のブログはこの本を読み終えて(2回目になりますが)、通しで読んだ感想を書こうと思います。

司馬遼太郎さんの「菜の花の沖」第五巻も、継続して数ページずつ読んでますが、今日はいったん中断します・・・笑)

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全部で六つのパート(作品)から成り立っていますが、個人的に好きなパートは、「寒月がかかれば」「漲(みなぎ)ろう水の面より」でしょうか。

やはりこの作品、壮年期の描写よりも、少年期、青年期のパートが私個人としてはすごく印象に残りましたし、好きな箇所です。私自身の青春時代はあまり楽しいものではなかったけれど(笑)、やはり何者かになろうとして、一生懸命生きている主人公たちの姿に共感したのかもしれません。また、過去を美化したいノスタルジックな気持ちが、どこかにあるのかもしれませんね(笑)

 

前回読んだのは、30代の時でしたが、今回読み直して気づいたことが一つあります。

井上さんの作品は、自伝的作品、歴史小説、現代小説とジャンルが多岐にわたっていると評価されているようですが、この作品、歴史小説の「天平の甍」や「敦煌」でテーマになっている、仏教的なテーマ「輪廻」みたいなものをすごく連想してしまいました。多分「天平の甍」のインパクトが強く残っているのかもしれません…


鮎太という一人の男性(主人公)が、両親と離れ、祖父の妾さんと生活するという少年時代をすごすシーンから、この作品はスタートするわけですが、最終話の「星の植民地」では、鮎太が晩婚ながら父親となり、二人の子供を地方に疎開させて、全く別居して生活するという舞台が設定されています。これが、まさに最初の「深い深い雪の中で」に戻るというか、息子の立場から、父親の立場に変化していく輪廻的な世界観を示しているようで、すごく印象に残りました。どこか日光東照宮の「猿」をみているような・・・。そんな感じでした。

 

今日は仕事の関係で、遅い時間の発信となってしまいました。まとまりのないブログ記事になってしまいましたが、週末こんなことを感じたと、読書会のメンバーの方々に感想を伝えたいと思っています。おやすみなさい。